南米を旅行したのが僕が31歳の時,ボリビアからスタートし,チチカカ湖を系由してペルーのクスコに代表される高山地帯をめぐり海岸沿いのエリアに出て,首都リマからチリの首都サンチアゴまで(2500キロ.バス乗車時間にして延べ70時間)の砂漠地帯を延々とバスで移動する約1ヶ月半の旅行をしました.(http://www.linkclub.or.jp/~yonemura/kaigai/nanbei.html)
ここで紹介するのは,ナスカの地上絵で有名なナスカでの宿.ナスカは砂漠の街.当たり前であるが,雨がほとんど降らない街なのです.(事実上降らないという言い方もあるらしい)
「屋根」の意味が日本とは全く違うことに衝撃を覚える.日本の建築の屋根の機能は「雨に耐える事」であり,建築業の生命線が「雨漏りしない」ことなのだ.僕らはこの「雨漏り」のリスクとデザインの魅力に常に,永久に悩まされ創作活動をするのが運命なのだ.砂漠の地では,その機能は全く必要とされない.目的は「強烈な日差しを遮る事」にある.
写真は僕の泊まった宿(もちろん安宿でたしか,1泊5〜6ドルくらいだったかな?)の廊下は屋根がないアシのような草が敷かれているだけなのである.しかし驚くことはこの廊下がひんやりとして結構心地よいことだった.建物は,土でつくった日干しレンガというブロックを積み上げ左官(ドロ)で中塗して塗装で仕上げたもの.以外にこの日干しレンガという素材は断熱性が高いことを身を持って体験するが,なによりの驚きはアシの屋根が,直射日光と熱を室内(?)に入れることを遮っていることだった.風は海岸に近いのであることも幸いして,風は通り洞窟に入ったような感じになるのである.これを輻射熱とも言われ今日本では注目される冷暖房の方法である,良く考えてみれば,日本でも「すだれ」を設置する習慣が昔からある.今でこそカーテンやブラインドが主流となっているが,外断熱と内断熱の論争にも繋がります.部屋の内側でブラインドを付けて日射を遮るよりも外側ですだれをつけて日射を遮る方法の方がずっと効果的であることを忘れつつある様な気がする.日本人が古くから体験から学んできた知恵なのだ.
