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遥かなるチチカカ湖での体験から(バナキュラー快適空間) 
【某誌の原稿の検討文章として(メモ)】
 (随時修正していきます)

【チチカカ湖上に住むインディオの生活空間は,
 今日もトトロと共に生活している】

一度は耳にした事のある秘境的な響きを持つ湖名それがチチカカ湖.
ペルーとボリビアの国境にまたがり.インカ帝国の伝説が言い伝え
られていて,琵琶湖の10倍以上の広さがある大きさと神秘性だけで
はなく,アンデス山脈の中央部に位置し標高は富士山より高い位置
に存在する高地性も特筆すべきと思う.
「何かがありそう!」バックパッカーである(当時の!)僕の好奇心
を引き寄せる.引力に満ちあふれた場所がチチカカ湖である.ここに
ウロス島というが,単独の島ではなく,浮き島群エリアでのバナキュ
ラー空間を紹介する.

ここには,今も湖上に住むインディオがいる.広大なるアンデスの大地
を捨てた民.その理由は地域,部族闘争によって大地を追われた等との
諸説はあるが,時間を経た今.島で生活する必然性は既にない.不便さ
を超越した「何か」があるからこそ今でも生活が行われているのだろう.
その何かの大きな要因が,トトラを主役とした生活の可能性なのだろう.
「地産地消」は地球環境(資源のサイクル)を考える際に,重要な一つ
のキーワードともなっているが,全ての生活と経済行為が完結し,かつ
コストがかからない.その究極の地産地消行為,その実践が,このチチ
カカ湖のウロス島なのである.ここでは700人以上のインディオが湖上で
自給自足のような地産地消生活をしている.

前述したように,ここは浮き島群なのである.「トトラ」という,フト
イ系の(葦のような)植物がふんだんに湖岸に生息していて,そのトトラ
を敷き詰め,積み重ねていくだけの島なのである.徐々に腐っていくので,
毎年地面にトトラを積み重ねて行く.どんどん地盤は厚くなっていくのだが
厚いものは25m以上にもなるとも聞く.浮いている事がコツで雨期乾期の
水深に柔軟に対応できるのだ,なのでもし,地盤のトトラが湖底に到着して
しまったら,島?(住む場所)としての価値がなくなってしまう.船から降
りると解るのだが地盤の柔らかさは体操のマットのような感触で例えれない
心地良さと人への優しさがある.

トトラは浮力が強く,船にもなるし,家の建材にも,燃料にもなるし,トトラ
の芯は(美味しくはないが)食べれる.腐れば土になり大地(畑)になってし
まうのである,ウロス島ではジャガイモも作り農業が行われていると聞く.こ
こでとれた魚をトトラの上に並べて天日干しにして保存食にする.料理もトト
ラの上でする,水もチチカカ湖の水で.ちなみに排水もそのままだと思われる
が,排水経路や給水経路を確かめることは出来なかった.

建築物は骨組みこそ陸地から運んできたと思われる丸太で構成されているが,
床も.壁も,屋根も全てトトラで構成されている.住居も,学校も,教会も
ある.年々地面を積み重ねて行くために,建築物もスクラップ&ビルドを繰
り返す.残念ながら建築空間と言うより,仮設空間的な要素は強くデザイン
こそないが,徹底した地産地消建材としてのトトラとの取り組みは,学ぶ事が
多い.自然と一体の生活はとても,力が抜けて自然体である.
僕の持論でもあるが,そこで生活する人の笑顔が輝いている場所は建築も素晴
らしい.

便利さという概念を徹底的に捨てきった所に,バナキュラーな快適空間が見え
て来る.全てをトトラで構成する揺るぎない概念は建築家から見て感動的であ
り美しく魅力で一杯であった.

ただし,島の現実は,観光客相手に成立している状況であり,チップや土産売
りで生計を立てている事も事実.今では,各家にソーラーパネルが取り付けられ
てテレビが見えるとの事.時代は進化しながらもトトラとの生活は今日も行わ
れている,





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写真は1995年撮影なので画像に問題が...

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テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術

【2010/01/23 Sat 09:40 】 | 建築 くらし | comment(0) | trackback(0) |
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